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「明日へ続く光(仮)」4~GSD#50自己補完小説

確かに様子はおかしい、あの冷たく睨みつけてくる瞳も今は閉じられている。
だがそれが彼の作戦であったとしたら。
そのぐらいはやる狡猾さはあるはずだ。
アスランはレイに対しては厳しく接する必要があると感じていた。何しろあれ程議長を信奉し、シンに影響を与えたのだ。そして正論とも言える言葉は全て議長がその場にいるかのような論じ方で圧倒し納得させていく。その志は自分たちとは対極にいるように感じ交わることはないと思っている。だからこそ、ラクスを狙い、そしてその守護神たるキラを狙えるこのエターナルは、彼らにとっては一発逆転の格好の場ではないかと舌打ちした。
「キラ、彼を拘束しろ」
「どうして?」
「危険だ」
「大丈夫、彼に戦意はない。早く怪我を…」
「何が根拠でそう言える」

そう訊かれ、キラは自分のレイに対する同情がこの行動の根底にあるとも解っていた。
そして、この複雑なレイへの感情がわかるのはキラ自身と、もしかすると…ムウ。
しかしムウとはその意識が違う。
いうなれば被害者側と加害者側、そういった立場に置き換えられるのかもしれない。
ムウは自分の父の愚かな欲望が世界に及ぼした混乱を自分の責任のように感じている節があった。
別にムウ自身に罪はない。
だがクルーゼと対面した時にムウは原因となった父の息子として「クルーゼを止めたい」という決着の方法を選択していた。
だからまたこのレイという存在を知れば心を痛め彼なりの「責任」を取ろうとするのかもしれない。この意識はキラとは違う。
キラはクルーゼとは同じ位置にたっていた可能性があった、だが自分だけはいいように事が運んでしまった、少しの偶然がそうした。
本当に紙一重だったのだろう。
自分は成功体としてブルーコスモスに狙われはしたがこうして生き残り、我が子のように慈しみ育ててくれた夫婦がいて何があろうと変わらぬ愛情を注いでくれたし、同じ遺伝子を持って生まれた姉、こうして無条件に底抜けに自分を護ろうとしてくれるアスラン、同じ目標を持ったラクス、他にもキラをキラだとありのまま認めてくれる人がたくさんいた。あの男のように孤独ではなかった。

でも、このレイは?
きっと拠り所にしていたと思える議長はもういない、皮肉にも彼の手によってそれを壊してしまった。
そうなれば彼を支えられるのは誰だろう、ミネルバにはそういう人がいただろうか。彼の秘密を知って尚レイを受け入れることのできる人間。

いないような、気がした。
だからこんなに親身になるのかもしれない。

彼に、未来を、光を与えたかった。
きっともう時間はない。
誰でもいいから彼自身に彼として生きる希望を明日を歩んでいける支えがあればいいと思った。
傲慢かもしれない、迷惑かもしれない。
間違いなくキラは自分と照らし合わせた時に、あまりの差に耐えられなかった、だからやはり同情に違いないのだ。
独りよがりだ、間違いなく我儘を通していると自覚していた。
だけど。
子供のように、いや実際子供なのだろう彼を放っては置けなかった。
アスランはキラがどうしてレイをつれてきては庇うのかその根拠はわからないだろう。
2年前に知った自分の出生の秘密は誰にも正確に伝えていない。漠然としか彼らに伝えていなかった自分の過去を打ち明けこの行動の根拠を今話するべきなのだろうなとキラは覚悟を決めた。
自分をそして今している行動を受け入れられなくても。
ただの感傷だと、レイをつれてきたことを批難されても。
これは自分の責任で決着をつけるからと、心の中で決意していた。

人は皆、幸せになる未来を求めてもいいはずだから。


「…僕も、キミにいや、皆に伝えたいことがある。彼のことを含めて。まずは彼の治療と彼を休ませてあげて」
凛とアスランの眼を見据え、ここで無体なことをするつもりなら自分とて黙ってはいない、と無言の圧力をかけて、キラは一歩を踏み出す。まるで自分が傷つけられたかのような手負いの獣の様相だった。
そこまでさせるものは何なのだ。アスランはそのキラの読めない感情に腹が立った。

メサイアで議長とは対面したはずだ、何があってこのレイを連れてきたのか、レイが今何故こんな状態なのか?
どうしてここまでレイに肩入れしているのか。そしてキラ自身も恐ろしいほどまでに気を張り詰めているのは何故なのか。

こんなことは今までなかったから特にその態度に焦りを感じる。
それに、先の大戦後期キラ自身に何か重要な秘密ができてそれを今もまだ自分の口からは誰にも言おうともしない、その隠し持つ何かとレイが関係しているように感じて余計に苛立つ。
アスランは何も知らない、いや誰もはっきりとは知らないはずなのだ。なのにあの2人には同じ空気がある。

その疎外感がアスランには痛かったのだ。
「…くっ」
キラの瞳に温度を感じない。
表面上は穏やかでいるけれどもその奥底でまだ燻っている何かがキラの余裕を失わせていくのか?
その原因がレイ、か?

くっそ、と歯軋りした。
自分以外のものがそのポジションにいる、そんな気持ちが感情を凶暴にしていくのをきっちりと感じでいた。
だからこそ強引に最低限、譲れない意見はここではっきりと告げておく。
「監視はつける、何か動きがあれば即捕縛隔離だ」
そう言い添えて反対側からレイを支えた。

レイはそれがアスランだともわからない様子でその青い瞳には何も映ってはいなかった。







そろそろ他のキャラも出てきます。
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