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「明日へ続く光(仮)」3~GSD#50自己補完小説

レイの立場は、捕虜だ。そういうことになるだろう、明確にするならば。
しかし、拘束もしていなければ今後キラはそうするつもりも無い。
アスランは何があったのかを早く問い詰めたい気分だった。そして何か不測の事態から早く遠ざけたい、キラを害されるわけには行かない。
できれば向こうのコックピットに乗り込みたい気分で勇んでいた。
しかしそれを許すはずも無いだろうキラは危機感もなく穏やかだ。

撤退の発光信号が上がり、オーヴ軍は即座に戦闘行為の中止を出しており、それに付随する軍隊からの戦闘も既に中止されていた。
人道的立場に立って救助活動も行われはじめていた。


「エターナルに着艦する」
キラはそう言ってジャスティスの横をすり抜けた。アスランとしては腹立たしさを抑えきれないままにフリーダムの後を追って着艦体勢に入るしかなかった。
そこには、ラクスもいるからだ。
その危険性をキラが知らないわけはない、どういうことなのかキラの行動がつかめずアスランは混乱を深めた。そんなアスランをよそにキラはスムーズにフリーダムをエターナルに着艦させた。


アスランがどういおうと、キラにはこのレイがもう戦意の欠片も無いことがわかっていた。
多分、気力もなければ意味もなくなったはずだ。

フリーダムが整備ドックへ向い固定される間、
「レイ、大丈夫だからね」
そう、優しく子供をあやすように言い添えた。涙に濡れたその純粋な瞳をキラは哀れに思う。

どんな心境の変化が彼に起こったのだろう。
信じていたものを撃つ、その凶行。
奇しくもキラを庇うことになった、それは衝動だったのか何かからの開放を求めての行為だったのか?

『彼の明日は…?』
そう呟くようにでもしっかりとその口から出た彼の真意は何だったのだろう。
キラにはわからない事づくした。
今のレイを見る限り信じていたものに裏切られたような目と落胆、そして奇妙に安堵した雰囲気の両方を感じていた。
自分に絶望していた今までから何か新しいものを見つけたようなとても新鮮な驚きと、自分が立つために生きていくために信じて疑わなかったものが簡単に崩壊して、更にそれを滅茶苦茶に跡形のないまでに自らの手で壊してしまったかのような、そんな絶望が同居し彼を困惑させ失望させている。
だけれど、どちらかというとその失意の方が多くしめているだろう彼の中の僅かな希望の存在、キラはそれを感じたからこそ連れて来た。

2年前、メンデルで対峙したラウ・ル・クルーゼの怨念。
自分の生んだ世を厭い、人類を憎み恨み、破滅へ導くことが己の存在を証明するのだといわんばかりに暗躍し、短いときを憎悪だけで駆け抜けた男。
レイは多分その男と同じ遺伝子を持っている。
そして彼と同じように、世界を恨むことで身を保ってきたのか?
同じように人の欲望が作り上げた存在のはずなのに、普通に生きる、生きることができるキラを恨んできたのか?
それはレイの意志で歩んできたことだったのかを、キラは知りたいと思った。
あのメサイアでの、デュランダルとの対話を聞いていたはずの彼。
本当に恨んでいたならキラには隙はありすぎるほどあったはずでいつでも背後から撃てた。しかしあの銃を構えての非建設的な対峙に何を思い、何を感じたのだろう。
一発の銃声が答えだったのか。
とても信頼していた人への発砲は何を示したのだろう。

短い時間の中で生きる彼にとってこの行為が意味することは、多分。
キラはその気持ちに賭けた。
だからあのメサイアで置き去りにして死を選ばせるの気もしなかったし、ザフトに帰ればその処罰は最たるものになる。
だから・・・。


そしてこんな風にキラを動かした最大の理由の一つ、タリアの言葉が甦る。
『彼の魂は私が連れて行く。彼にとってのこの戦争の原動力、その後のプランを考えるに至った原因は多分、私だから。でも彼は…』

この言葉の意味は明確にはわからなかった、しかし幸せそうに見詰め合う二人からそれぞれに目指した世界があったのかもしれない、夢を見たのかも知れないと思った。それが議長の言う新しい世界への思想に繋がって、いつしか二人の道は違えたが最期にまたこうして歩み寄れたのかもしれないと思わせた。
本当なら、どうなっても生きることを提案すべきであった。
タリアの子供のことを聞いた時、特にそう感じた、そしてタリアが自分の子と同列にレイのことを気にしているそぶりに、子供たちのために生きるべきだと言いたかった。
だがキラには、デュランダルとタリアをつれてくることはできなかった。

二人は、もう過去しか見ていなかったからだ。

苦々しい気持ちを振り切って踵を返したところに、その彼がいた。
銃を持つ手を震わせて泣き崩れ「ごめんなさい」と繰り返すレイ。その瞳が幼くて、まるで迷子になった幼子が親を求めているかのようで
「レイ」
と呼んでみた。負傷した額からまだ血が流れていて、涙で顔は濡れていたけれどひどく透明で純粋な、子供だった。


『その子を、お願い』

その声は爆音にかき消されが、キラの耳にははっきりと伝わった。
死んでいく二人の遺志として。

レイを頼む、と。







フリーダムのコックピットから連れ出して、クルーがぎょっと驚くように身を硬くする。自分では歩けないほどに憔悴したレイの肩を抱いて
「負傷しているから医務室へ連れて行く、大丈夫」
と言いつつ身構えるクルーを安心させようとする、だが
「キラ!」
行く手を阻んだのは、銃口をレイに向けたアスランだった。






タリアさんで絶対ギルの暴走の原因を気づいていたと思う。
それに悩み、子供の写真を見ることで自分の女の部分を抑えようとしていたように、解釈してみました。
ですが結局、愛に生きたのかと。

レイの実年齢は子供の域をでないと思います。その語りについては「日々キラキラ」の#50感想でしています。
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