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「明日へ続く光」14~運命最終話自己補完小説

ジャスティスでAAに着艦し、すぐに二人は教えられた部屋に向った。
こちらの艦内もまだ落ち着いてはいない、修理に走るメカニック、警戒を解いていない兵士たち。その間を抜けるようにして二人はたどり着いた。
扉の前で、一瞬。
メイリンは躊躇した、が意を決して頷き、ちらりとアスランを見て中に入っていった。

その様子をアスランは見送る。
再会は2人きりがいいだろうと控えたのだ。本当ならこうして自分のせいで彼女を巻き込んで心配をかけたことは謝るべきだと感じている。
結果、自分たちは脱走兵と言う処理をされその罪状も勝手に付いているだろうからそれをルナマリアは信じているだろう、だからこそインパルスで斬りかかって来た、「妹を巻き込んだ」と。
確かにそうだメイリンは巻き込んでしまった、だがミネルバを追われることになった原因は自分の意思とは関係なく勝手に役目を選択され評価されその役割を担えないと判断された挙句のあしきり。
そして真実なき理由の果ての、粛清。
そう思っている。
勝手な罪状をつけて追われ、結局生き延びるためにザフトをでることになった。あの場で拘束されたとしてどう自分の正当性を説いてもあるのは"死"のみだっただろう。その不条理な状況を打開しようと脱走、と言う形になってしまった。
それを何の関係もなくそして事情も知らないメイリンが協力してくれた、甘えた。
生命の危機にまで晒して連れてくるしかなかった。そしてザフトと戦わせてしまった。
彼女をそうさせたくはなくて一度はオーヴに置いていこうと考えたが彼女は拒絶した。
「ザフトと戦うのも怖いが、レイは簡単に嘘をついて自分たちを殺そうとしたこと、それを知って黙認した議長。その方がもっと怖い。今まで信じて戦っていたのに」と。彼女は自分の意思でAAに残り、葛藤の末にこの戦いはエターナルでザフトと見えた。


そのこれまでの状況をルナマリアに説明してもいいわけにしか聞こえないだろう。
メイリンを振り回したことはルナマリアが身内としてアスランを許せない事柄だろうし軍人としてでも裏切り者、と罵って当り前のことだろうと思う。
だが、どちらにせよアスランはメイリンの姉としてのルナマリアと話はしたかった、だから少しその場で待つことにした。

解ってもらえないだろう、だが大丈夫、自分たちは生きている、ルナマリアともまたこれからも話が出来る、少しずつでも。
いつだかキラに言われたことを思い出してその時を待った。



部屋に入ると一人の女性士官と共に、ルナマリアはいた。視線が合う。
「お・・・ねえちゃん」
立ちすくんだメイリンにルナマリアが立ち上がった。死んだと思った妹、本当に生きていた。
「メイリン!」
「心配・・・かけて・・・ごめんなさい」
きっと泣いてくれただろう、だから。

二人はどちらからともなくお互いを抱きしめ、そして。声を上げて泣き始めた。
…言葉がうまくでない。


訊きたいことはたくさんあった。
どうしてミネルバを出たのか、本当にアスランと結託していたのか・・・自分の知らない真相を。


話しておきたいことがあった。
黙っていってしまったこと、心配をかけただろうことは謝る。けれど後悔はしていない、むしろ今はよかったと感じていると。


固く抱き合ったまま泣き崩れてしまった二人を見ながら、女性士官はそっと部屋を出て行った。


無事を確かめ再会できた喜び、生き残った喜びを一頻り分かち合って二人はやっとお互いを解放した。
生きていた、本当に通信越しではなくここにいる。もう一度のその顔を確かめるように見る。
「メイリン」
強い意志を感じる瞳で見上げてくる妹、ルナマリアは自分の妹がなにか変わった様に感じていた。
小さい頃から自分と同じことをしたがった、後を付いて来て真似して・・・無邪気でおしゃまであわてんぼうなところもある普通の女の子。
自分がザフトに入ると言った時、「一緒に行く」と付いてきた。
そして自分が"赤”メイリンは"(ふつう)”で、特に口にはだしたこともなかったけれどこの時からなんとなく隔たってしまった関係。
でも一緒に暮らしてきたし、その性格は知り尽くしていると思っていた。なのに・・・。

それを裏切られた?
本当に?
知らなかっただけではないだろうか、メイリンが何を考えていたか知ろうともしなかっただけなのかも知れない。
自分の所有物、そんな風に傲慢に考えてはいなかったか?自分が姉で、”赤”で何でも出来て上だと。
だからこそ信じられない事態への戸惑い、こうであるはずがない、と思い込みすべての責めは"アスラン"に唆されまたは脅されて彼女は"撃墜"されてしまったのだと思っていた。
身内として、そんなこと"あの子”ができるはずがないという確固たる信頼。
だが、間違いなく憧憬を感じていたと思うアスランの誘惑に負けてしまったのではないかと言う疑いも、あった。
出し抜かれた・・・。
そう思う心がまったくなかったとは言えないのだ。
自分の知らない間に何かを画策したのではないかと言う猜疑・・・間違いなく燻っている。

だが、どうだろう。
疚しいことなど一つもない、と澄んだ意志の強い瞳で見つめられれば何を信じればいいかが解らなくなる。
”スパイ”なんてこのメイリンが自ら望んでするわけもないと、思っている、どうして妹が追われたのかと思ってる真相を知りたいと思っている。
だがその一方この妙な心のざわめき・・・。
何故メイリンだったのかと言うことも、知りたい。
・・・自分の方が近くにいたのに・・・?


「ど・・・うして、ミネルバを出たの?」
それは当然の質問だっただろう。返ってきた返事は何事にも動じないと凛としたものでとても大人びて落ち着いたものだった。
・・・ドキリとさせた。
「わけもわからず殺されようとしてたアスランさんを助けた、って言うのが答え」
確かに、その警備系統にハッキングして撹乱したことを正当化するつもりはないが、しかしあの件については軍部の中枢が歪んでいた。
アスランは決して"敵"ではなかった。
「え?スパイだったら殺されるわ、だってあんなにあの人・・・」
AAに肩入れしてた。だから多分、
「・・・情報を、流したって」
黄昏の海岸で会ってた。シンが討ったことに対して反論した、シンは当たり前のことをしたのに。だから疑われて当然よ。
「あなたも、メインコンピューターにハッキングしてアスランにその情報を渡したんでしょ?」
そう、聞かされた、だから反逆罪で殺したと。
「・・・そんなことしてないわ、理由がはっきりしないのに殺されようとした人を助けるために警報を鳴らしたけれど」
「じゃあ、どうしてそのことを憲兵に言わなかったの、どうして追いかけるの?って」
「言っても無駄、だったと思う」
「どうして!」
理由も聞かず、撃ったのはレイだった。問答無用だった、追撃してきたシンさえも。
そんな状況だった、なのに「何もしてない」と闇雲に訴えても信じてくれるか?
信じてもらえるわけはない。
それは自分たちが"裏切り者”という烙印を押されていたから、誰も”どうしてそうなったか”を深くは考えなかったのだろう。
姉でさえも。
”こうだ”と言われた証拠なり何かを見せ付けられたのかもしれない、ただそれだけで判断した、そんな気がする。
そしてアスランが悪いとでも思ったのだろうか?メイリンがそんなことするわけがないからと憎んだのか?行き場のない感情をそう向けて結局は収めようとする。自分が姉の立場ならきっとそうしただろう。
もとよりAAとは旧知、ベルリン以降は本国の決定を疑ったアスランにはその可能性があったかもしれない、だからそうなのだろうといわれたら納得したかもしれない。でもあんなに不器用で誠実な人が気に入らないからとザフトを売るか?それはどうだろう、それに一足飛びにいきなり殺されることはないはずだ。
・・・そうできる人が命令しない限り。
姉はそれを知らないのだ、いや知ろうということさえも思わなかったのか。
だから自分が撃墜されたことを、受け止めてそれで"仕方ないことだった"と完結してしまったのか?

「お姉ちゃんは、何を知ってたって言うの?何も知らないでしょ?知ろうって思わなかったのよね、私だってそうだった。ただ命令がすべてだった。受け止めて行動する、軍人だからそれでいいと思ってたでもね」
メイリンはミネルバを出て以降のことを思い出す特にあのミーアという少女のこと、ラクスだと思っていた思わされていた巧妙な光景。
疑わなかった、随分変わってしまったラクス様、ぐらいで何も感じなかった。むしろ、今まで表舞台に立つこともなかったラクスがいきなり出てきたらあんなふうになってて、何があったんだろうって考えもしなかった、その口で平和を語ったから。
あの声で平和を唱えれば、彼女だと信じた。でも、目に見えていた事実とそれは違った。
これもアスランとほんとの偶然が生んだいたずらがなければ、メイリンをまったく別の世界に連れていった出来事がなければ考えもしなかった物事の裏側。
「・・・見えていると思っていた世界はこんなに狭いのだとわかった」


本国が敵だと言った人たちは、戦争を終わらすために戦うことを悩んでいる人たちで知ってみれば自分たちは戦う理由などなかった。
大切なものが何かを常に求める姿勢はものの本質を見ようとすることで。
そんなもの、今まで考えたこともなかった。
アレが敵だろう?と言われれば何の罪悪感もなく撃ち、その後のことも考えなかった。でも今は違う。
「だから、訊いたの。どうして戦うの?何で戦うの?って」
この姉とも、戦う理由はなかった。
ザフトとも。
本当は誰とも・・・。

聞いていたルナマリアには我慢の限界とも言う感情の高まりがあった。その胸の裡は複雑で、そして怒りりも似た苛立ちが押し寄せてきていた。まさかと落胆して心配することも出来ず絶望して泣いて。その気持ちをどうしていいか分からなくて、期待を掛けていた"アスラン"を憎んだ。だがその人ももういない人だったから気持ちが空回りして苦しくて辛くて・・・なのに。
生きていたこと、メイリンともう一度こうして会えたことは望外の喜びだ、"撃墜”と聞いた時の心情から比べれば。でも肝心のメイリンは今、ルナマリアが失意の底にあったそれを汲んではくれないと思うほどに落ち着いた態度で。泣いた自分の気持ちなど解ってはいないのだと思えた。
いやそれだけではなく、行動を非難されているように思えた。

「じゃあ、私たちの戦いは愚かで間違いだと言うの?」
込み上げる怒りが言葉となる。

ルナマリアは今なぜか強く、メイリンに置いていかれた、と感じていた。







どうしても週末になる、明日へ続く光。
一回で終わらなかった、フォーク姉妹。
喧嘩上等??
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