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「明日へ続く光」10~運命最終回自己補完小説

展望室の真ん中のソファーに腰を落ち着けて、アスランとキラは肩寄せあって話をした。
憶測による話が殆んどだったが、的を得ている様な気がした。

「誰が作ったかは判らないが、クルーゼ隊長と同じ遺伝子を持つ、と言うことかレイは」
「うん」
状況からの判断だが、本人も言ったようにそれは事実なのだろう。生まれた年も、理由もわからない。だがクルーゼより後に生まれたのは間違いないだろう。もしかすると議長が関っているかもしれない、が想像だ、今は確かめられない。
「だからといって、キラを憎むように…クルーゼ隊長は戦場でそれをレイにどうやって伝え…あ、メンデル?議長か」
「うん、あそこにいたってラクスが調べていたから、僕の生まれのことも知っていて当然かもしれないけど。それにもしかするとレイの誕生にも関係したかもね。そうなるとラウ・ル・クルーゼと懇意だったという可能性だって出てくるから」
「そう、だな。だがレイと議長の親密さからすると可能性は高い」
利用した、のだろうかクルーゼの感情をレイの一途な子供の素直さに刷り込んで、クルーゼの孤独をレイでせめて晴らしてやろうとでも思ったのだろうか。
"親密”というかレイは議長に盲目的な信頼を寄せていた。そんな人からの刷り込みと自分の限られた未来を思えばその考えに凝り固まる可能性はあるかも知れず。
アスランが考えているとキラがこう切り出した。
「議長は、レイの生い立ちをお得意の「運命論」で「役割」として彼の人生決定付けたのかもしれないね。レイは議長に「”クルーゼ”と同じ遺伝子」を持つのだからいずれ同じようになる、なら初めからそう生きろとね。そんな生き方しかできないことを恨むなら「人の欲望」を恨み憎めと、そしてこのままの世界だとまた同じような者が生まれると。繰り返さないためには議長のプランはレイにとって…」
レイもまた議長の思想で自分と同じ様なものが二度と作られない世界をと望んだ、そして自ら議長の思想の「戦士」となった───?
「進むべき未来の光だと思えたんだ」

同じ遺伝子だからと言って、その心までもが同じではないとアスランは思う、がレイは議長の”DESTINY PLAN”を信じそれこそが自分を救済してくれる崇高なものに映った。そしてPLANを理解できない、同じ存在のはずのキラを眼の敵にした、もう一人の自分が望んだように憎むのが当たり前だとしたのだろう。
遺伝子学的にキラはとても幅がある、想像するにPLAN上イレギュラーな存在なのかもしれない、議長としてもそんな存在は必要では無い、御しきれないのだから…何と傲慢なものか。アスランは反吐が出る思いだった。かつて自分も"戦士”としてのアスランしか議長には必要がない駒であったという苦々しい過去を思い出したからだ。その役割以外は必要が無い、それ以外を行くなら死、と粛清されかけた自分を思い出す。
本来はラクスが言ったように、アスランの"戦士である”という才能は、アスランがいくつも持つ可能性の一つであり他にもたくさんの可能性を持っていてそれを自身が選んで生きていく。それが人の生だろう、それを誰にも指図されたくはない、だから議長のPLANを受け入れられない。
アスランが腹を立てているその横でキラは、自問自答するかのように呟き、

「信じていたものが揺らいだ瞬間、だったのだろうか」
一発の銃声は。

キラが何にだって命は一つだと伝えた。
それが彼をクルーゼの呪縛から逃れ何かの光明を得て、そしてあの時キラを撃たず議長を撃ったのだと考えるのは単純すぎるだろう。しかしレイが本当に望んでいたことを諦めきれないままに、『運命』だけに翻弄されていたのなら、あの瞬間それに気付いたということならば。
戦う自分ではなく望んだ自分を実現したいと少しでも思ったから撃ったのだとしたらあの冷たい場所には置いて来なくてよかったと思う。
「僕が、レイを助けたのは同情から始まったあまりにも孤独で、見ていられなかったから。でもあの時彼本来の何かを望みたかったという意思を感じた、だから連れてきたとも思う」
だからこれからは自分の心に忠実に。
人の腹から生まれてこなかった自分たち。キラは殺されてしまったというが父母がいて、育ててくれた夫婦が自分をこよなく愛してくれて。
ここにいるアスランは甘やかせてくれていて、自分にとっては大切で仕方ない存在だ。
かけがえのない、存在。
キラにはそう思える人が多い。アスランもラクスもカガリもマリューも、みんな。キラにとっては大切で、みんなも自分のことをそう思っていてくれれば嬉しい、いやそう思っていて?と願っている。
その中で自分は自分らしく自分に忠実に生き、受け止められることを至上の喜びにしているのだ。
でもレイにはそんな存在はいない、いなくなってしまったといえる。
「・・・ミネルバに、レイと親しい人はいた?」
ミネルバには同僚が居るだろう、そこに心許せる人が居ないだろうか?キラは今更ながらにそれに気づいた。
「いる、というならシンだな・・・」
自分が撃墜してしまったシン。レイとシンは自分とキラとの関係とは少し違った友誼で繋がっていたと思う。今の自分たちのように肩寄せて話していた…その場面はキラをフリーダムを堕とす作戦を練っていた時だったと思い出せば苦い思いが胸を締め付けたが。

そのシンはどう、なっただろう。
聞く耳が無かったシンを力任せな行動で沈めて沈黙させた。
怪我は無いだろうか、ミネルバは?
アスランはあの時自分がリフターでミネルバを攻撃したことを思い出しつつ彼らの行方が急に気になり始めた。
そしてこの戦いの結果をシンはどう感じているのだろうかということも。
通じなかった思い、怒りのままに感情のままに戦いへと臨んだあの後輩は今何を思い、なにを求めるのか。
不意にアスランは確かめたいと思った、いや決着をつけるべきだ、そう思うといても立ってもいられなくなった。だが、その足はなぜか一歩を踏み出せなかった。
レイのことも、議長のこともシンがどう受け止めるだろうと考えたのもあった、だが力で屈服させてしまいもう本当に決別してしまったのかもしれないとの思いも過ぎるもう間に合わないのか?とも。だが自分としては納得できるまで話をしてみたいのだ。きちんと区切りをつけないといつまでたっても引き摺り、そのことがまた自分を立ち止まらせるだろう。きっとシンもそうなるだろう、そうなればまた同じことを繰り返すのだ。

急に立ち上がったアスランをキラは見上げる。その顔は「遣り残したことがある」というものだったから。
「アスラン、決着はつけた方がいい」
そう告げる言葉、勝手に口が動いたように感じる、キラ自身自分の戦いは、己を知り己がかかわる世界をやはり放って置けない、だから戦うことも辞さないのだと気づき。今、レイを助けたことで自分の因縁がらみのさまざまな出来事に帰着できると思っていた。
だが、アスランは。
月に向うAAの部屋で、シンという彼と話がしたい、と言っていたではないか?
彼を導きたいと、それが叶うなら後押ししたい。

動き出そうとしないアスラン。
キラはそっとその体を抱きしめた。
アスランもまた、この戦いで多くのものを失っただろう。
その一つに、ミネルバとの別れがあったはずだ。それは不本意なものだったと思えるから。
人とのつながりをこうして実感して勇気付けたい一心でキラはアスランの背中に手を回してその背をポンポンと軽く叩いた。
「気持ちに決着をつけないと後悔する、それに引き込まれて迷うことになる。アスラン、行こうブリッジで情報を集めよう」
その抱きついてきた細い体を抱きとめて、アスランはやっとキラの無事を確認したような安堵感を得た。
キラは先の大戦の後自らの心と充分に対話したのだろうか、きっと独りで自分の在るべき意味を考え悩み区切りをつけたからこそ今こうして立っているのだろう。
だから強いのだ。

アスランは自分もそうなりたいと思う。
これまで自分がこの戦いの中で心を残してきたものに終止符を打たねば先に進めないということを痛感している。
キラをぎゅっと抱きしめることで、その提案を承諾するのだった。












ア~難産だった、やっと話が動きそう。遅い展開だ~。自分に呆れた…(泣)シリアス食傷気味。好きなのに。
読み直すと繰り返し表現が多いこと。きちんとHPにUPする時はちゃんと見直します…そんな日来るかな?
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genre : アニメ・コミック

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