スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「明日へ続く光(仮)」7~GSD#50自己補完小説

艦全体は騒然としており激しく人が行きかう。特に医務室周辺は雑然としていた。戦いによるエターナルの負傷者・それから戦闘停止後に救助されたと思われる負傷したザフトやオーヴの兵士が運び込まれてきているのだった。
どこも混乱している。
AAもそうだろう、ザフトもそうだと思う。そして人類全体も混乱していくだろう。
議長の示した「デスティニープラン」は発動されている、それを支持する人もいるかもしれない。
これからのプラントの出方によっては世界はまだまだ議長が言ったとおり混迷の時代が続くのかもしれない。
だがそれがどんな形でどういう風になるか予測など誰もできはしない。
戦いがこのまま続くかどうかでさえ、今は判らない。
だが、そんな世界を作らないためにキラは「戦い続ける」と覚悟した。
キラだけではない、ラクスもカガリもきっとアスランもそう決意しているはずで勿論AAの皆もだから、同じ理想のために、戦いの無い世界のために前を向いて目標に邁進できる仲間がいることは何よりの支えだった。


廊下へ出てその喧騒の中、2人は無言でお互いの腹を探り合うように見詰め合った。
話さねばならない、しかしこの場ではお互い納得いくまで話はできないと判断してどちらからともなく無言で歩き出した。
着いた先はエターナルの展望室、そこからはメサイアの崩壊した一部分が浮遊している様子が伺えた。殺伐とした空間が視界に飛び込みただ空しさが去来した。
そこから見る限りにおいて戦闘行為は停止され各国の艦艇が事態の収拾に奔走しているようだった。このエターナルもそうだ、同時にできる限りの救出救援もエターナルは率先して行っている。
目立つ艦であり、皆明確に口にしないまでもこのエターナルに搭乗する彼女が”本当の”歌姫であると理解し敬意を表しているようにも感じられた。実際縋るように付き従うものもいるようだった。
しかしまだ事態は予断を許さない。
2人も本来はまだ陣頭指揮に立つべきであるが、今はお互いの感情が優先だった。周りの状況に呼応して対応していくことまで気が回らない、というのが本心であったのだ。心が波立ったまま思考が先へと進まない、そんな感じだった。

いうなれば戦闘時の興奮もまだ冷めやらぬ、アスランはその上疑問と憤りを抱え二進も三進もいかない。ましてキラ自身余裕が無いように思えるのにあのレイに優しく振舞えるそれが一番堪らなかった。何があったのかを詳しく聞くまでは納得いかないと、仏頂面を隠そうともせずキラをねめつけた。
だが、言葉を紡ぐことはできないでいた。
キラとレイが同じ空間にいる、その違和感もこれまでのレイの行動からは信じられない光景で、いつも毅然と正論を吐くレイの憔悴振りも信じられなかった。そしてレイを庇うようなキラ、そのことについても衝撃だった、何がどうしたのかと戸惑うばかりだった、なのに先ほどのレイの様子から、レイが議長を撃ったらしくそのことが結果的に議長を破滅に追いやってしまったらしいと分りさらに驚愕を受け隠せなかった。
キラが会いに行く、といった時には相容れなき場合はどちらかの死をもって事態は動くと考えていた。キラが彼を撃つかもしれない、もしくはその反対がありえた、その事態こそを恐れた。しかしキラは無事に帰還した、その事実が意味するものを神妙に考えていたのだ。
だが違った。


『許しませんよ、ギルを裏切るなんて』
『また逃げるんですか』

そう叫んだレイの声を、表情をまだリアルに思い出せる。あれほどまでに頑なに信じていた人を、彼は撃ったというのか?

(それが本当なら…)
と思うと、もう一つ頭を掠める思いがある。
この出来事を知れば議長を信奉していたレイに信頼の重きを置いていた彼はもっと混乱し怒りを爆発させるのではないかと思わせる。
先ほどの戦闘でジャスティスで撃墜に追い込んだ後輩のことが頭をよぎった。

やるせない思いに握った拳が震えるのを自覚した。


一方キラは冷静になるように心がけていたせいか、自分の起こした行動から考えられた様々なこと、憶測、それに対する思考を頭の中で冷静に分析している自分に気づいていた。
議長と対面したこと、その内容は後味が悪く何ら歩み寄りも無い実りの無いものではあった。しかし彼もまた求めていたのは平和、だったのだろう。方法やそこまでの過程は遠大すぎてそして納得いかないものではあったが、世界を戦争で破滅させようとしたものではないのだと解った、平和へのアプローチの方法論の違い、なのだ。だが受け入れることなど出来はしない。話も平行線だった。
まるで人を信じていない、そんな口ぶりに幻滅したのも確かだった。
彼が頑ななまでに人の感情を信用せず、管理統制された世界を作りたかった理由ははっきりとは解らなかった。がレイに向けたあの瞳、タリアに向けたあの言葉がデュランダルという人がまた孤独であったのかもしれないと思わせた。望んでもいないのにそうなってしまったのかも知れない、孤独に耐えられない何かがあったのかもしれない。そのことが逆に彼を追い詰め、人間の本質は遺伝子で決められているのだと考え及ぶ原因になったのかもしれないと思ったのだ。

淋しかったのかもしれない。

そんな風に行き着いて、それでもやはり同情はできなかった。
世界を混乱させた、それは自分にも責任はある。
だが人としての当たり前の夢や希望を望むからこそ戦った、それを生まれながらに決めてしまうそんな思想を受け入れれば人として生きることすら捨てなければならなかった。反対するものは力でねじ伏せ、その強引な手法も許せなかったから銃を向けたのだ。
”力”を否定しながらも。

キラにはアスランが混乱している分だけ落ち着いてきたのかも知れないと思いつつまだ頭の中を錯綜する思いに一区切り入れるために大きく息を吐く。
そして彼を見返した。
表情は硬く眉間にはくっきりと不快な皺が寄って瞳の色は鈍く傷ついているように見えて、歯を食いしばる唇はへの字で、秀麗な顔も今は面影も無いほど苦悩が表れていた。
泣くのを我慢しているのかもとキラはそっと食いしばる頬に手を伸ばした。

「アスラン」
そっと頬を撫でた。
その手を強く握り返される。
食いしばる歯をギリ、と噛むのが伝わった。

そのまま言葉が出るのを待った。

お互いの情動の矛先に決着をつけねば先には進めないのだと二人は分っていた。


「…キラ、何が、あった?」


ようやくアスランから吐いて出た声は掠れていて途切れ途切れで、彼の心境を如実に伝えるかのようだった。







久しぶりになってしまいました、少し忙しかったので。
書き溜めていく暇なくUP。
ラストも展開も決めていますが書き溜めておいて見直したいなあ…。
先まで見通してないと後で修正できないから辛いのですが、BLOG放置も辛いので中途半端ですがここまでを更新します。
今後はアスランとキラが対話し、それぞれのキャラの個人的な思い残しがあるのでは?というところへ移行します。
ですがキラは個人的にはそれがあまり無いように思います、物語の当初からラクスの言葉を借りるなら「決めて、やり通す」ことを一貫してしてた人ですから。でもそこはキラ至上なワタクシ・・・。
おお、いっておきますがアスキラーです私、腐表現出るかも今後、お嫌いな方はお気をつけて!

スポンサーサイト

theme : 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY
genre : アニメ・コミック

Secret

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

Entry

カテゴリー

最近のコメント

最近のトラックバック

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSフィード

Profile

否妻ぴかり

Author:否妻ぴかり
基本的にLINKフリーです。貼るも剥すもご自由に。
コメント・TBお気軽にどうぞ、できるだけお返しします。
現在コメント・TBは管理人の承認以後表示するような設定になっています。

Counter

Link

月別アーカイブ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。