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「明日へ続く光(仮)」5~GSD#50自己補完小説

レクイエムが配備されていた元連合の基地でありジブリール亡き後ザフト所有となっていたダイダロス基地は、レクイエム破壊後直ちにオーヴ艦隊が進攻し制圧。メサイアの陥落によりザフト軍の戦線撤退を受けオーヴも戦闘行為を即時中止し、派遣軍はその基地に集結することとなった。
オーヴの艦隊も計2回のネオジェネシスの発射により損傷した艦も多く負傷者も続出していた。ザフトの撤退を受けて航行に問題のない艦艇は救援活動を、MS各機は救助活動を行いつつ月へと進路をとった。
AAもオーヴ軍の召集に呼応、やがてミネルバの撃沈地点に差し掛かる。順次退艦していく様子にブリッジでは人知れず、皆敬礼をしていた。
またそこから幾分か離れた地点でムウの操るアカツキは、アスランと対峙していた2機のザフト軍所属の2機のMSを発見。それから発せられる救難信号にアカツキを降下させた。
そこには、2人のパイロットが身を寄せ合って救助を待っていた。

ルナマリアは降下して来たMSが自軍のMSではないことは一目瞭然であり驚きを隠せなかった。しかし救助の手が敵軍だからといって躊躇していることはできなかった。このままではシンが危険だったからだ。
生き残ったからにはこれからも生き抜く、ルナマリアはそのために手段は選ぶつもりはなかった。このMSは間違いなくオーヴ所属であるが一刻を争うのだ、頼るしかない。「卑怯者」と後で罵られようと。

「早くシンを!お願いします」
ルナマリアは頭を下げた、膝の上のシンはだんだんと動きがなくなっていって、涙も涸れ今や瞑目したきり呼びかけても反応がない。撃墜された時に損傷していたパイロットスーツはできる限り点検して、ヘルメット部分の損傷には応急テープを貼った、しかし機密性には何ら問題がないようだがパイロットスーツについた微小な損傷がどういう不具合か低体温を招いたらしい、このままではシンの生命の危機だと判断できた。

あの時、月面が噴火するかのごとくに立った火柱を二人は抱き合って見つめた。
撃墜のショックで気絶していたシンが目覚め、二人でメサイアが放たれる前にあれが破壊されたことを知って泣いた。

ルナマリアには安堵の涙だった。
もうあの大量破壊兵器でプラントが焼かれ吹き飛ばされたように、地球上のどの国も焼かれることはなく少しだけ滞在したことのあるあの南の国、オーヴもその難を逃れることができた。だからと言ってあの国に自分としてそう思い入れはない。プラントにとっては”敵”と定められた国である。けれどプラントは撃たれた、だから撃ち返す。いくらプラントの方針に従わないからといってもそんな後味の悪い報復のような攻撃、撃った本人にではなくオーヴの国民に撃ちかえすのはルナマリアには心が痛む出来事ではあった。何しろ自分がもっとしっかりしていればジブリールを逃さなければプラントも撃たれることもなく、このような大量破壊兵器が飛び交う戦いは避けられたかもしれないという自責の念が強かったからだ。
だから、実際あの火柱が立ったとき
『オーヴは撃たれなかった』と思わずシンに告げた。自分が安心したように彼にもそれをあげたかった。
シンも口ではどう言っていても故郷がなくなったり焼かれたりすることは辛いことだろうと思ったからだった。それが回避できたことを伝えたかったのかもしれない。
けれど、本当は?
シンは何を思っていただろう。

あの号泣は、自分と同じ安堵の涙だったのだろうかと。ルナマリアは自分の膝に沈むシンを見下ろしながら不安になってきていた。

「待っていろ、すぐに助ける」
金色のMSはそっと手を差し伸べルナマリアは月の軽い重力の中、シンを抱えてその手に乗る。大切に大切に包まれて、少し離れた所に駐留するAAに向った。


(ああ、AAに行くのか)
ぼんやりとシンは今の自分の状態を把握していた、しかし抵抗する気は起こらなかったしそもそも体が動かなかった。
徐々に冷えていく体がもたらした冷静な思考能力。
(今まで自分は何をしていたのだろう)
そんな空虚な自分を抱えていた、頭の中は、真っ白に近い。しかし先ほど夢の中に現われたステラの残像と戦闘中のアスランの言葉だけが妙にリアルに再現されていた。

『ステラ昨日もらった嬉しいの…』

昨日…、昨日は過去。
皮肉にも君は死んで過去を取戻したのかもしれない。そして本当の君を取戻した。だけどそれは君を本当に解放できたというの?
そんなの、認めたくないよ。


シンは自分の過去を思い浮かべる。
何の事件も無い、それが退屈だと思っていたあの日常は本当はとても幸せだった普通の暮らしで、それが突然途切れてしまい。いつまでも過去を懐かしみ、取戻したいと願い取戻すことができないとわかりながらいつまでも縋っていた昨日。自分と同じような、ステラのようなそんな人たちがもう生まれないようにと気負っていた今まで。
だがそれも皆大切な自分、その過去があってこそ自分は今までこうして戦ってきた、それがどうしてこんな風になったのだろう。

『もうお前も過去に囚われたまま戦うのは止めろ』


あの人の言葉。
でも俺は…、この過去があってこその俺だ、こだわって何故悪い。どうしてわかってくれないのだろうどうして俺を認めてくれない、過去は捨てられないのだ、過去も俺であったのだから。
過去を捨ててしまえば俺は俺でなくなる!ステラのように。

ステラが、記憶を過去を持たない彼女が本当のステラではなかったように!

『そんなことをしても何も戻りはしない』

取戻せないことはわかっている、ただ皆が戦わずに住む世界を手に入れたい、そんな未来を望んでいるだけなのに。
『未来まで殺すつもりか』
それをわかってくれないあんたが腹立たしい、だからあんたを倒せば俺は手に入れられるかもしれないと思った。
自分の欲しいものを。ルナマリアを傷つけてでも・・・。

強ければ何も捨てないでいいと思っていただけだ。

『バカヤロウ!』

(俺は・・・何を・・・)

手に入れられたものは何だったのだろう?

過去を背負ったままに苦しいけれど今もそれと戦いながら、でもこれが俺なのだ。シン・アスカという人を作ってきた過去を手放しはできない。でもこの過去ごと俺は明日に生きたい。
そして俺が俺として生きていける戦わなくてもいい自分が欲しい。
それを護りたい。自由な明日を手に入れて───。自分が自分として生きられる日常、それが欲しいから・・・戦った。
(俺を認めて欲しい、否定しないで欲しい)
昨日もそして今日も、俺は俺として生きていた。強くあろうとしてことで過去をやり直せればと思った俺は、強い自分であろうとした。強い力で今を作ることも必要だと思ったからこそこうして力を得た。

『お前が欲しかったのは本当にそんな力か?』

デスティニーも破壊されレクイエムも、メサイアも。
いくら強力でもそれはそれでしかなかったのか。
何も作られはしないのかも知れない、力はただそこにあるだけで。
明日もそこにあり続けることはできないのかもしれない。
力で切り開けると思っていた世界は、もう・・・。

(何が欲しいか少しだけわかった、から)

ポカリと空いた心の穴は俺の支えだった力の拠所。そうしてやっと気が付いたものに涙が溢れ出て嗚咽は止まらなかった。
そしてルナマリアを、戦ってきた今までの過去の自分を哀れむように、掻き抱いた。

『だから明日、明日ね』

それでもこうして俺は生きている、そうだよね、ステラ。未来を望める俺がまだいる。

だから。


あの人に、会いたい。
会って未来を、俺の明日を認めて欲しい。


薄れる意識の中シンはそう願うのだった。







シンとステラのエピソード、解らないづくし・・・だったんですがこんな風に絡めて余計わからないかしら?う~ん、苦しいかな。
シンは本当に自分を認めて欲しかったのはアスランだと思います。憧れというべきなのか、腐女子的には恋、ですがシンは反目していたけれど自分の中ではアスランに強い自分も弱い自分も認めて欲しくて、だけど、アスランもまだ自分の決心が付いてなくてシンどころではなかったんでしょう。二人にできた関係は溝の深いものにしかならなかった。だけど自分を認め色々なことを振り切ったアスランは強く、シンにとっては目標的な位置に立ち、だからこそ自分のありのままを受け入れて欲しいシンとしてはそんな存在になったアスランとの再会を。そしてアスランはどう思っているでしょう。これも後日。
そしてルナマリアの心情も置いてきぼりだったので書いてみました。アスランへの思いも補完していくつもりです。勿論メイリン再会も書く~!!

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