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最期に見る光(運命49話シン独白)

奈落のそこに堕ちていく・・・。

何も見えない闇、光は何もなく何も見えない。

これが俺の選んだ道か?


■■最期に見る光■■


俺のほしいもの。
平和?
家族?

何なんだろう。


護りたい人は護れず戦争で狂っていくものを俺はこの身で痛いほどに感じた。
俺と同じように、力のない何の罪も無い人間が犠牲になっていく。
マユ、父さん、母さん。
護れなかったから力を、守り通せる力がほしくてザフトに入った、認められて専用のMSも拝領した。

なのに。

ステラは護れなかった。


何故?
俺が弱いから?

どうして?
あの人が裏切り者だから?


本当は違う。

わかっている。


『マユで~す、今電話にでられません』

もう遠いマユの声、こうして聞いていないと人の記憶は曖昧になる、自分の決意も曖昧になる。
今ここ立っている自分は、何を求めたのか。

(戦いを終わらせることだろう!しっかりしろ!)

自分に叱咤しても、体が闇に取り込まれる感覚は消えない。

『その怒りの本当のわけも知らないままただ戦ってはダメだ』

あの人の声が聞こえた。

裏切り者と罵り、俺が撃ったあの人。
死んだはずの、殺したはずの、あの人。


生きていた。
嬉しい、本当は嬉しかった。叫び出してしまいそうなほどに。
俺はあの人を殺してはいなかったのだから、討ってはいなかったのだから。
一番に俺を認めてくれた人を俺は、本当は・・・。

『思いだせシン、お前は本当は何が欲しかったんだ?』


欲しいもの?決まっている。
安寧に暮らせる世界だ。人が己が欲望で世界を混乱させない世の中なら、悲しみはない。
こうして俺のように苦しまなくてすむ。
どうしてその世界を望んではいけないというのだ。
俺が戦ってその日常が戻るなら、もう戦争という悪しきものに魅入られない人が居なくなるのなら、これでいいいいはずだ。


ホントウニ?ソレガホシイノ?

永遠にある信じていた家族のぬくもりが唐突に途切れたように突然になくなるのなら俺は欲しくない。
優しい世界に帰してくれるって、約束も叶えられないような世界はいらない。
間違ってない、俺の選択は間違ってない。
これでいいんだ。


ホントノホントウニホシイモノハ?


『よくやったシン、君の力だ』
体の芯が熱く滾った瞬間、あの人に認められた、受け入れられた喜びも、もう遠い過去だ。
お前ならできると信頼されたあの日の夕焼けも、もう今は思い出せない。
思い出さない。

本当に欲しいものは手に入らない。
そう、手にはできないのだ、それを知った。

吹雪の中の海で鋼鉄白い翼を貫いたとき。
2度目に殴られたのは、あの人の憎悪だったと気づいたときに初めから信頼などされてはいなかったとわかったのだ。
そしてあの人は自分の欲しいものを護るために、俺たちに背を向けた。
それを証拠に紅い機体はフリーダムと俺の間にまるで生身の自分を晒すかのような真剣さで立ちはだかった。

闇に塗れた俺に一筋に光を運ぶかのように、突然俺の前に現われて。
また裏切っていく。

闇の中でもがく俺。
いつの間にか闇はひたひたと俺に近づき、取り込まれてしまった。
いくらもがいても光も届かない。

その光はいくら手を伸ばしてももう手に入らない。ならば。


『お前は本当は何が欲しかったんだ?』


貴方ですよ。



「シン・アスカ、デスティニー行きます」


もう、戦うしかない。
貴方とは。

















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