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BLOOD+第19話『折れたココロ』感想

今日は出先で見ました、が…えらく重要な回だった!
今まで燻ってた色々な謎が解けて来て引き寄せられた~家にいないのが悔やまれる…流し見なのでなんか取り違えてるかもな携帯からの投稿です。

まず小夜がまんまと説得され騙されたようになってしまった気持ちを考えた。
確かに宮城の父のことがあったから翼手=人に仇なす化物という図式で、自分しかあれを倒せないと来れば、相手をよく解らずともその思い込みと父への想いで戦って来れると思うよ遺言もあったしね。
でも以前の記憶がないために前の自分がわからないままに戦うことが本当に自分の望むことだったかは本人にも謎だからアンシェルに言われてみて気が付き自分の存在意義や逆に翼手がどんなものかを突き詰められたら、迷うし自分の無知さに気付くわけで…。
過去の自分を知らないから今の自分を生きようとする決心だけで生きていた小夜を否定されれば何もかも失ったようなものかな…と。
倒そうとする相手は身内と教えられ、それを周りは知っていて何も知らない小夜を利用したと言われたらそりゃ…『うそつき』と、姿を消しても仕方ない。ただ鵜呑みにしてしまうほどに追い詰められ、自分もまた翼手であると突き付けられた時…父への想いや同胞の存在自分の生まれた意味、どうして過去敵対したかを深く考え自分を取り戻さないとこれからは一歩も進めませんね…。どんなドラマが用意されてるでしょう…偽りの家族と罵られたカイにリクがキーであって欲しいなぁ。

さて
なんであんなに弱いのかハジ?でも死なないからそれはいいのか?なんだかね~何か理由がありそうな弱さ?ディーバのシュバリエたちとはえらい違いだから……彼にも何か隠されたものがあって欲しい。
ディーバの正体もわかったし5人のシュバリエがどんな存在かわかりまたハジも小夜の血を分けたもの?と言う存在ということになるかな、そのあたりは過去編で見たい!が新キャラの3人の登場でベトナムでの置き去りな伏線が来そうな予感も?

余談?
・ディーバはきれいな少女らしいけど、かなり残忍そうね、小夜と双子ならいいなあ…と妄想中。
・あの中身おっさんなリーザ…リクとシャワー一緒してどうするつもりだったんだろ?って突っ込んでしまったのは私だけ?まさか血吸うつもりだった?
腐女子だからちと違う妄想入ったよ…。

来週、
ハジは出てきたらやっぱあの傷もふさがってるんだろうか?でも小夜との信頼関係どう変化したでしょうね。それもまた見どころかな…?
妹なディーバもやっと出るようだから…シュバリエも勢揃いしそう?久々に飴男も予告に出て来たし!
色々期待したいですね。
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「明日へ続く光」14~運命最終話自己補完小説

ジャスティスでAAに着艦し、すぐに二人は教えられた部屋に向った。
こちらの艦内もまだ落ち着いてはいない、修理に走るメカニック、警戒を解いていない兵士たち。その間を抜けるようにして二人はたどり着いた。
扉の前で、一瞬。
メイリンは躊躇した、が意を決して頷き、ちらりとアスランを見て中に入っていった。

その様子をアスランは見送る。
再会は2人きりがいいだろうと控えたのだ。本当ならこうして自分のせいで彼女を巻き込んで心配をかけたことは謝るべきだと感じている。
結果、自分たちは脱走兵と言う処理をされその罪状も勝手に付いているだろうからそれをルナマリアは信じているだろう、だからこそインパルスで斬りかかって来た、「妹を巻き込んだ」と。
確かにそうだメイリンは巻き込んでしまった、だがミネルバを追われることになった原因は自分の意思とは関係なく勝手に役目を選択され評価されその役割を担えないと判断された挙句のあしきり。
そして真実なき理由の果ての、粛清。
そう思っている。
勝手な罪状をつけて追われ、結局生き延びるためにザフトをでることになった。あの場で拘束されたとしてどう自分の正当性を説いてもあるのは"死"のみだっただろう。その不条理な状況を打開しようと脱走、と言う形になってしまった。
それを何の関係もなくそして事情も知らないメイリンが協力してくれた、甘えた。
生命の危機にまで晒して連れてくるしかなかった。そしてザフトと戦わせてしまった。
彼女をそうさせたくはなくて一度はオーヴに置いていこうと考えたが彼女は拒絶した。
「ザフトと戦うのも怖いが、レイは簡単に嘘をついて自分たちを殺そうとしたこと、それを知って黙認した議長。その方がもっと怖い。今まで信じて戦っていたのに」と。彼女は自分の意思でAAに残り、葛藤の末にこの戦いはエターナルでザフトと見えた。


そのこれまでの状況をルナマリアに説明してもいいわけにしか聞こえないだろう。
メイリンを振り回したことはルナマリアが身内としてアスランを許せない事柄だろうし軍人としてでも裏切り者、と罵って当り前のことだろうと思う。
だが、どちらにせよアスランはメイリンの姉としてのルナマリアと話はしたかった、だから少しその場で待つことにした。

解ってもらえないだろう、だが大丈夫、自分たちは生きている、ルナマリアともまたこれからも話が出来る、少しずつでも。
いつだかキラに言われたことを思い出してその時を待った。



部屋に入ると一人の女性士官と共に、ルナマリアはいた。視線が合う。
「お・・・ねえちゃん」
立ちすくんだメイリンにルナマリアが立ち上がった。死んだと思った妹、本当に生きていた。
「メイリン!」
「心配・・・かけて・・・ごめんなさい」
きっと泣いてくれただろう、だから。

二人はどちらからともなくお互いを抱きしめ、そして。声を上げて泣き始めた。
…言葉がうまくでない。


訊きたいことはたくさんあった。
どうしてミネルバを出たのか、本当にアスランと結託していたのか・・・自分の知らない真相を。


話しておきたいことがあった。
黙っていってしまったこと、心配をかけただろうことは謝る。けれど後悔はしていない、むしろ今はよかったと感じていると。


固く抱き合ったまま泣き崩れてしまった二人を見ながら、女性士官はそっと部屋を出て行った。


無事を確かめ再会できた喜び、生き残った喜びを一頻り分かち合って二人はやっとお互いを解放した。
生きていた、本当に通信越しではなくここにいる。もう一度のその顔を確かめるように見る。
「メイリン」
強い意志を感じる瞳で見上げてくる妹、ルナマリアは自分の妹がなにか変わった様に感じていた。
小さい頃から自分と同じことをしたがった、後を付いて来て真似して・・・無邪気でおしゃまであわてんぼうなところもある普通の女の子。
自分がザフトに入ると言った時、「一緒に行く」と付いてきた。
そして自分が"赤”メイリンは"(ふつう)”で、特に口にはだしたこともなかったけれどこの時からなんとなく隔たってしまった関係。
でも一緒に暮らしてきたし、その性格は知り尽くしていると思っていた。なのに・・・。

それを裏切られた?
本当に?
知らなかっただけではないだろうか、メイリンが何を考えていたか知ろうともしなかっただけなのかも知れない。
自分の所有物、そんな風に傲慢に考えてはいなかったか?自分が姉で、”赤”で何でも出来て上だと。
だからこそ信じられない事態への戸惑い、こうであるはずがない、と思い込みすべての責めは"アスラン"に唆されまたは脅されて彼女は"撃墜"されてしまったのだと思っていた。
身内として、そんなこと"あの子”ができるはずがないという確固たる信頼。
だが、間違いなく憧憬を感じていたと思うアスランの誘惑に負けてしまったのではないかと言う疑いも、あった。
出し抜かれた・・・。
そう思う心がまったくなかったとは言えないのだ。
自分の知らない間に何かを画策したのではないかと言う猜疑・・・間違いなく燻っている。

だが、どうだろう。
疚しいことなど一つもない、と澄んだ意志の強い瞳で見つめられれば何を信じればいいかが解らなくなる。
”スパイ”なんてこのメイリンが自ら望んでするわけもないと、思っている、どうして妹が追われたのかと思ってる真相を知りたいと思っている。
だがその一方この妙な心のざわめき・・・。
何故メイリンだったのかと言うことも、知りたい。
・・・自分の方が近くにいたのに・・・?


「ど・・・うして、ミネルバを出たの?」
それは当然の質問だっただろう。返ってきた返事は何事にも動じないと凛としたものでとても大人びて落ち着いたものだった。
・・・ドキリとさせた。
「わけもわからず殺されようとしてたアスランさんを助けた、って言うのが答え」
確かに、その警備系統にハッキングして撹乱したことを正当化するつもりはないが、しかしあの件については軍部の中枢が歪んでいた。
アスランは決して"敵"ではなかった。
「え?スパイだったら殺されるわ、だってあんなにあの人・・・」
AAに肩入れしてた。だから多分、
「・・・情報を、流したって」
黄昏の海岸で会ってた。シンが討ったことに対して反論した、シンは当たり前のことをしたのに。だから疑われて当然よ。
「あなたも、メインコンピューターにハッキングしてアスランにその情報を渡したんでしょ?」
そう、聞かされた、だから反逆罪で殺したと。
「・・・そんなことしてないわ、理由がはっきりしないのに殺されようとした人を助けるために警報を鳴らしたけれど」
「じゃあ、どうしてそのことを憲兵に言わなかったの、どうして追いかけるの?って」
「言っても無駄、だったと思う」
「どうして!」
理由も聞かず、撃ったのはレイだった。問答無用だった、追撃してきたシンさえも。
そんな状況だった、なのに「何もしてない」と闇雲に訴えても信じてくれるか?
信じてもらえるわけはない。
それは自分たちが"裏切り者”という烙印を押されていたから、誰も”どうしてそうなったか”を深くは考えなかったのだろう。
姉でさえも。
”こうだ”と言われた証拠なり何かを見せ付けられたのかもしれない、ただそれだけで判断した、そんな気がする。
そしてアスランが悪いとでも思ったのだろうか?メイリンがそんなことするわけがないからと憎んだのか?行き場のない感情をそう向けて結局は収めようとする。自分が姉の立場ならきっとそうしただろう。
もとよりAAとは旧知、ベルリン以降は本国の決定を疑ったアスランにはその可能性があったかもしれない、だからそうなのだろうといわれたら納得したかもしれない。でもあんなに不器用で誠実な人が気に入らないからとザフトを売るか?それはどうだろう、それに一足飛びにいきなり殺されることはないはずだ。
・・・そうできる人が命令しない限り。
姉はそれを知らないのだ、いや知ろうということさえも思わなかったのか。
だから自分が撃墜されたことを、受け止めてそれで"仕方ないことだった"と完結してしまったのか?

「お姉ちゃんは、何を知ってたって言うの?何も知らないでしょ?知ろうって思わなかったのよね、私だってそうだった。ただ命令がすべてだった。受け止めて行動する、軍人だからそれでいいと思ってたでもね」
メイリンはミネルバを出て以降のことを思い出す特にあのミーアという少女のこと、ラクスだと思っていた思わされていた巧妙な光景。
疑わなかった、随分変わってしまったラクス様、ぐらいで何も感じなかった。むしろ、今まで表舞台に立つこともなかったラクスがいきなり出てきたらあんなふうになってて、何があったんだろうって考えもしなかった、その口で平和を語ったから。
あの声で平和を唱えれば、彼女だと信じた。でも、目に見えていた事実とそれは違った。
これもアスランとほんとの偶然が生んだいたずらがなければ、メイリンをまったく別の世界に連れていった出来事がなければ考えもしなかった物事の裏側。
「・・・見えていると思っていた世界はこんなに狭いのだとわかった」


本国が敵だと言った人たちは、戦争を終わらすために戦うことを悩んでいる人たちで知ってみれば自分たちは戦う理由などなかった。
大切なものが何かを常に求める姿勢はものの本質を見ようとすることで。
そんなもの、今まで考えたこともなかった。
アレが敵だろう?と言われれば何の罪悪感もなく撃ち、その後のことも考えなかった。でも今は違う。
「だから、訊いたの。どうして戦うの?何で戦うの?って」
この姉とも、戦う理由はなかった。
ザフトとも。
本当は誰とも・・・。

聞いていたルナマリアには我慢の限界とも言う感情の高まりがあった。その胸の裡は複雑で、そして怒りりも似た苛立ちが押し寄せてきていた。まさかと落胆して心配することも出来ず絶望して泣いて。その気持ちをどうしていいか分からなくて、期待を掛けていた"アスラン"を憎んだ。だがその人ももういない人だったから気持ちが空回りして苦しくて辛くて・・・なのに。
生きていたこと、メイリンともう一度こうして会えたことは望外の喜びだ、"撃墜”と聞いた時の心情から比べれば。でも肝心のメイリンは今、ルナマリアが失意の底にあったそれを汲んではくれないと思うほどに落ち着いた態度で。泣いた自分の気持ちなど解ってはいないのだと思えた。
いやそれだけではなく、行動を非難されているように思えた。

「じゃあ、私たちの戦いは愚かで間違いだと言うの?」
込み上げる怒りが言葉となる。

ルナマリアは今なぜか強く、メイリンに置いていかれた、と感じていた。




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「明日へ続く光」13~運命最終話自己補完小説

今までざわめいていた心はどこに行ってしまったのだろう、非常に落ち着いていて怖いぐらいだ。
思えばいつも何かに怒っていたような気がする、今はそんな気力もないのかもしれない。
突然家族を亡くした、その悲しみを怒りに変えてきた。ただ、あのときの哀しみを忘れないためだけに。
二度と、自分のように悲しむ人がいないように、そう願いながら、戦争を憎みながら戦った。
いつまでも被害者だった、MSに乗るようになってもその意識は続いていたように思う。



少し眠っていたようだ。徐々に開けてきた視界はまだ狭く、自分を酷く矮小にさせた。
こんな風にしか自分は世界を見ていなかったのかと思わせて心を沈ませた、見ていられなくてもう一度瞳を閉じた。
だが、心に反して身体はとても楽だった。いつもはそんな風に考えたこともなかったパイロットスーツ、本当は窮屈だったのかもしれない。脱がされてとても楽で、重力の感じられる場所で寝かされている今、とても身体が軽い。そう感じるのは身体の奥底に澱みのように凝っていた何かを吹っ切ったからだろうか。
胸の芯から温かくなっていて、その心地よさに少しまどろんでいた。

「・・・目が覚めたか?」

低音に響く声、聞き覚えがあった。まだ視界は狭く、それでもそちらの方に目を向けると豪奢な金髪を揺らす男に行き着いた。
(レイ・・・?)
その綺麗な色の長めの金髪、一人しか思い浮かばない、ミネルバで同室のアカデミーも同期だった、レイ。彼がいると思った。
「大丈夫か?坊主」
違う、誰だろう・・・。
シンは目を凝らそうと自然と瞼を擦ってその先を鮮明に映そうと躍起になった。その子供のような仕草に男は少し微笑んだようだった。
「まだ、辛ければ寝ていればいい」
「・・・い、え・・・もう」
明けた視界に映ったのは心配そうに自分を見る見知らぬ男。顔の中央、鼻に掛かかった傷跡が左頬に伸びるそれに一瞬驚いた。が、それをすぎると冷静に頭が働き出す、男はオーヴの軍服を着ていて周りを見渡すと、見たこともない医務室のベットでの上に自分は寝かされていた。そうだ、ここはアークエンジェルだ、あんなに恨めしく敵視していた戦艦、そこに今いるのだとわかる。
思わず起き上がって身構えた、自分はこの艦にとっては敵だ、そして最も厄介な相手だと認識されているだろう。自分たちがそうであったように。
シンは警戒をとかなかった、そして同じようにして来たはずのルナマリアを視線で探した。その様子に気付いて帰ってきた来た答えはこうだった。
「拘束するつもりもない、連れの彼女も別室にいる、心配しなくていい。それより身体は?」
なんだろう、この柔らかい空気。およそ敵国の兵士に対する応対ではない、身元がわからないわけでもないだろうし、なぜこんなにも親切なのだろうか。穏やかな感情でいられるのだろう。
それにシンはこの真摯な対応やこの男から醸し出される雰囲気を確かに覚っていた。だが、はっきりとは思い出せなかった。
「まだ具合が悪いなら・・・」
「いえ、あのそれより・・・?」
シンは歯切れ悪く問いかけた。見上げられてバツが悪そうに頭を掻きつつ
「覚えてないか?というよりわからないだろうな」
と自嘲気味に男は息を吐く、そしてシンの寝ているベッドの横に付随していた椅子にかけた。
「あの時の俺は俺であった俺でなかったからな。だが俺はお前との約束を護れなかった」
約束?そのキーワードにシンは反応した、その声、イントネーション。
「・・・約束??」
シンは呟き、そしてその男をもう一度真正面から見る。顔には覚えがない・・・そうではない!見覚えがないのではなく、あの時は素顔がわからなかったのだ!
「・・・もしか、して・・・『ネオ』・・・?」
「・・・そうだ」
苦々しく肯定され、シンは爆発的にネオの胸倉を掴んだ。
「アンタ・・・!」
勿論、どうしてAAに?とも思った。だがそれよりも重要な一人の少女のことが過ぎった。
護られなかった約束、それはステラの死と何をもたらしたのかを。
「お前とした約束、俺は護れなかった。いや、約束を護れないことはわかっていた、あの時から」
そう振り返る男はあの時と変わらずやはり態度は温かくてシンを惑わせる。だが締め上げる手は止まらない。
「・・・君にすまなかった、と一言言いたかった」
護れない約束をしたこと、を。
シンを安心させる、優しい嘘をついたのだ、今なら解るシンはそう思った。
シンはステラを返した時、必ず優しくあったかい世界に帰してくれと叫び、約束に安堵しミネルバに帰った。あの時のシンはその行動を正しいと信じ何の罪もないステラを託したことを正当化した。
彼女は自分の意思で戦っていたのではないのだから、被害者なのだから、と。
だが、約束は履行されず、また戦場で見えた。そして彼女は多くの人を殺し街を焼いた。
それは誰が悪いのか?
ステラか、約束を守ってくれなかったネオか・・・こうなるかもしれないと予測しながらも自分の行動が正しいと信じて疑わなかったあの頃の自分か?

急に思い出すアスランの台詞。
『・・・彼女を帰すべきではなかったのかもしれない』
『自分から戦場を去ることも出来ないのなら、下手すればまた・・・』

その通りになった。
そして彼女は、死んで開放された、戦いから。

『あしたをもらったの』

ステラの声が聞こえたような気がした。
込み上げるものがあった、「護れなかった」のだ。自分もまた。
護ろうとした、がそれはとても表面的で彼女だけを護ろうとしてもそれは元の木阿弥だったということに、気付いていなかった。
だけれど、自分はあの時そうしなければ立ち行かなかったのだ。
自分は正しいと、得た力はこうして使うべきだと信じて疑わなかったから。

シンはムウの胸倉を締め上げる手をだらりと下ろした。あの時には見えなかったものが、今になって少し見えたからだ。どうして俺たちは戦ったのかが・・・。
「坊主?」
ムウは急に怒りのボルテージが下がっていったシンを気遣うように呼んだ、項垂れて握ったこぶしが震えていた。
彼の葛藤が伝わってくる。それに引き摺られるようにムウもまた考える。
ステラが帰って後、ムウは彼女の記憶を消した、それが最大限出来る優しさだった。それが生き残るため与えられた条件の中では最上の処置だったのだ、そう信じるしかなかった。だからせめて戦場で出会ってしまってもステラには解らない様にとそう処置した、そして願った。この拡大した戦場の中で彼らがもう一度出会うことがないように、と。
だが、現実は戦うことになってしまった。
彼らの存在意義は戦うことであった、そうしないと生きる権利もなくなり生きることも出来なかった、そう育ってきただから仕方がない。ならその条件の中で最良の方法で護ってやろうと、思い込んでいた自分が愚かしい。
どんなに奇麗事を言っても彼らは”兵器”として多くの人を殺しそれを指揮していたのは自分だ、どうなるか知らなかったわけでもない。自分もまた生き残るためにしたことだった。
結局彼らを死なせてしまい、自分だけこうして生き残った。

「・・・言い訳にしか聞こえないだろうが、あの子供たちは戦うことでしか生きられなかった───戦いが無くならない限りあったかい世界にはいけなかったんだ」
戦うために作られた存在だったのだからこういうのも変な話だが、確かにそうなのだ。
戦争に勝つために、コーディネーターに対抗するために作られた兵器だったのだから。根本の争いがなくなれば、彼女らのようなものは要らないのだ。
「そう解っていながら、俺はお前と約束した・・・。」
本心はシンの申し出を受け彼女を解放してやりたかった、がそれもあのときの自分には無理な相談だった。約束したのはシンの気を満足させステラを返してもらうための打算的なものもあったが返してくれれば彼女を生かすことは出来た。
だがそれも・・・自分の、大人の都合だと自嘲する。

「俺は・・・、あの時は解ってなかった、アンタが約束を守ってくれると信じていた」
シンはそんなムウの胸中を知ってか、こう呟くようにいった。
「ほんとうにこれでいいのかと、思うこともなかったのかもしれない」
そうだ。
オーヴは連合に加担したから”敵”。
ステラには何の罪もないから助けて護ってあげないといけない。
その何の罪もないステラを殺したから、そして本国が決定した”敵”だからフリーダムは撃墜す。
アスランは裏切ったから、いらない。
その時々の感情、命令だけで突っ走ってきた。それは確かに正しかったかもしれない、だが誤っていたかも知れないのだ。
可能性を考えず、目に見えるもの見たもの感じたものだけが自分の真実なのだと受け止めてきた。
だからこそ、戦争の根が”ロゴス”だというのならそれを討ち、その後の世界は確かに議長の言うところが戦争を無くすと感じた。
ジブリールを討ち、ロゴスは事実上消え次はプランを反対したオーヴ。もしオーヴを討てていて、その後またプランを反対するものがいればまた自分は戦ったのか?議長の言われるままに・・・。
それでよかったのか?
そして自分の意思では将来を決められない世界、決められた世界にまた戦うだけの存在が生まれはしなかったか?

今になって思う。アスランの言葉。
『勝手な理屈と正義』
その意味は・・・。
それを認めてもらえる安易な方へと自分は傾いてはいなかったか?

「ステラを護りたい、それだけで、死なせたくないならどうすればいいか。『ネオ』と呟く彼女をアンタの所に返せば生きることが出来る、そんな単純な考えだけで俺はステラを託した。ステラ以外にもステラのような子がいると薄々わかっていながらも彼女さえ助ければ自分の正義は守れると思っていたのかもしれない」
「おまえ・・・」
「・・・アンタが悪いんじゃない、ステラも・・・」
戦わねばならなかった自分、世界。それが何故起こったのかを考えるべきだったのだろうか。

ふう、とムウはため息をついた。思いつめたシンの様子に思わず出たそれだった。
この子はまだ子供で、その純粋さ故に正義感が強く感受性に富み、意志を貫ける力こそが本物の強さなのだと突っ走ってきたのだろうと思う。
「・・・さんざん戦ってきた、大人なんだがな。俺は」
ムウが呟く、シンは項垂れたままその独白めいた言葉を聴いた。
「護りたいもの、そのために戦ってきた。その時々にその対象が違ってはいたが、確かに護りたいもののために戦うんだ、人は。俺もそうだ。そしてその護りたいものこそ、自分の欲しいものなんだと俺は理解している」
はっきりと告げられる強い意志。
『欲しいもの』
その言葉にシンははっとした。アスランに言われたことが反射的に頭に浮かんだ。

「地球軍の将校だったネオ・ロアノークには護りたいものなどなかった。だが今本当の俺に戻った今はそれがある。そしてこれからは護りたいもののために戦いは続く。戦いとは別に剣を合わせることだけではない、それが彼女らへの手向けになると思いたい・・・、シン。君も護りたい何かのために戦ったのだろう?」

シンはそれには答えられなかった。
まだ───。

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「明日へ続く光」12~運命最終話自己補完小説

エターナルのブリッジは落ち着きを取り戻していたが、クルーはまだまだ休む暇なく対外交渉などに奔走しているようだ。
だがアスランとキラの二人が現れると一旦その作業を止め口々に慰労の言葉をかけてくる。その気遣いが二人には嬉しかった。
「キラ、アスランも」
ラクスは振り返りその身を無重力に翻して二人を迎えた。その手をそっととってキラは引き寄せる、彼女もきっと不安だったはずだ。戦況は厳しくこのエターナルを犠牲にしてもオーヴを護らねばならなかったことを覚悟していたとはいえ。
「うん、大丈夫だった?」
「はい」
ゆったりと微笑む、彼女の安心した時の笑顔だ、二人を見て頷いた。
ひと段落着いたところで、バルトフェルトが声をかけてくる。
「よく戻ってくれた二人とも、であの要塞は、どうなった?キラ」
「・・・はい」
キラは先ほどアスランに話したように自分の連れ帰ったものが何者なのか、そしてどういう結末となったのかを手短に話す。一番衝撃を受けたのは、CICに座っていたメイリンだった。
「レイ・・・が?」
そう呟くのが聞こえた。聞き終えてため息混じりに切り出したのはバルトフェルトで。
「・・・議長が死んだ、か。プラントも混乱しているだろう」
「そうですわね、今後の対応が気になります。一度言い出したこのデスティニープランをどうするか」
「あのプランは、議会には通っていないいわば議長の独断専行。その全貌をプラントとしても掴んでいるかどうか今探らせているが・・・。議長の言葉だけで普通に考えればこのプランでナチュラルとコーディネーターを比べた場合分があるのはコーディネーターだろう?それを考えれば今この混乱している時に乗じて侵攻する可能性はあるな。大量破壊兵器はなくとも戦いは出来る、プラントはレクイエムを撃たれた後という大義名分で国民を納得させる要素は幾らでもあるからな」
プラントは多大な被害をこうむった。今もまだプラントでは混乱し日常を奪った地球連合を倒せとの気運が高まったままだろう。幾ら議長がナチュラルとの融和と叫び世界を一つにと言う政策で進んできたところで、撃たれてしまえば人民を納得させることは出来ないだろう。そしてやり返した。護るための戦いといってはじめたこの戦争。プラントを直接撃つことの出来る兵器がなくなり、連合も弱体化した。がまだナチュラルはコーディネーターを敵とするならば彼らにも戦う理由はある。
その"敵”は連合ではなくオーヴということにしても辻褄はあう。コーディネーターが住める国だがその指導者はナチュラルで、幾ら理想を掲げても友好国だったといえども今回は連合に組しザフトと戦い、これで戦争はなくなるというその思想を一番に蹴った。だからこそ戦う理由はある。
実質上の指導者がいなくなっても議長プランにかこつけてプラントがこのままコーディネーターが支配する国を作りたければ、もう撃たせないようにしたいならば、手っ取り早いのは相手を武力で押さえ込むこと、支配することだ。
そんなことを考えている強硬派の幹部がいてもおかしくはない。
「そこまで愚かではないと、思いたいのですが」
ラクスは呟いた。
「私たちの独自のラインで今評議会のある方と連絡を取ろうとしています、とにかく今は早急にプラントとオーヴや他の国との話し合いの場を作ることが私たちに出来ることかもしれません」
ラクスの目指すもの。
ラクスが宇宙に上がった時からプラントのクライン派閥の政治家やザフトの兵士は活発に働きかけ始めた。平素もまったく活動していなかったわけではないが、やはりラクスという指導者が立つことで明確になるものがあったはずだ。
ラクスの父、思い半ばで死んだシーゲル・クライン。そのシーゲルと同じく、ラクスはナチュラルとコーディネーターが共生する道を模索していた。このままではと暗雲立ち込めた出生率の低さに端を発したコーディネーターの未来への危惧、それよりも今はこの戦いによって人類の明日こそ危ぶまれる。お互いを理解し尊重しあう世界、言うのは簡単だがこれからはそれを根ざして戦わねばならない。人の心が持つ闇と。
「必要ならばプラントに向います。待ってはいられないのですから。2年前に遣り残したことを私もせねばならないのです」
彼女がこれからを考え羽を休める時間はとうに去った。これからは積極的に関っていくのだ「もう迷いはない」と突き進んできた道を。
遣り残したこと、姿を伏せおきた混乱に彼女も多少なりと責任を感じているのは確かだ。先の大戦後このままオーヴに居続けることが本当にいいのかと悩み苦しんでいたこともあるぐらいだ。そう、アスランと同じくラクスもまた自分のあるべき姿を探し戸惑っていたことをキラは知っていた。あの島にいる自分が少なからず彼らを留まらせたのではないのかと思うこともあったからだ。だが今はキラも、覚悟を決めた。
そっと隣のアスランを見る。
ラクスの言葉に彼の周りの空気が研ぎ澄まされたように張り詰めたと感じたからだ。アスランもまた考えていた自分のこれからを決したように見えた。

しんみりと皆の頷きが満ちた時、CICに座っていたメイリンの元に突然AAから通信が入った。「はい」と受けたその直後、がばっと立ち上がり彼女から上がった声は
「・・・え?お姉ちゃんが?シンも?」
一斉に彼女に注目する中、放心状態の様に立ち上がったまま固まったメイリンとキラの隣のアスランもまたそのメイリンの言葉に注目した。その様子を見て通信を変わったのはキラだった。
「・・・うん、わかった。すぐに行って貰うね。ありがとう」
メイリンの方をポンポンと軽く叩くと、「大丈夫怪我は無いようだし、あっておいで」と付け加えた。彼女のここまでの経過はキラも承知している、彼女たち自身仲違いしたのではない、充分に話し合わなければならないだろう。
「でも・・・私」
メイリンの迷いは多分これからのことを案じてだろう。ザフトから見れば二人は脱走兵である、そしてシンに「裏切り者」と罵られたことは不条理で憤りこそ感じるが、だが果たして自分がミネルバに残された立場であったならどう思ったか。シンと同じように思っていたかもしれない。
何も知らない自分と決別できたことを、偶然ではあったが今は後悔していない。
だが、何も言わずにミネルバを出てきた事は、気に掛かっている。姉を苦しめただろうことを。
その逡巡をラクスが見抜いていたかのように、
「これからのあなたは自分で作るのです、メイリン。すべての選択はあなたの中にあります。それにお姉さんと話す機会は今しかないかも知れません」
ラクスの後押しでメイリンは思い切りがついたように頷いてその場を立ち去ろうとする、無重力の中彼女が床をけって行こうとするすれ違い様、
「俺も行く、メイリン」
キラの隣のアスランが動いた。
「うん、それがいいね」
キラはそうなることを予測していたかのように微笑んでそういって送り出した。
メイリンを巻き込んだという気持ちと救出されたシンとの対話。アスランが望んでいる話せる機会がそこにある。
「行って来る」
二人は急ぎAAに向った。

「キラ」
残ったキラにラクスが話しかける、皆今度は二人に注目しているようだ。
「僕もカガリと話をしないと。もう戦わせない、それが今度僕に出来る戦いだ」
デュランダルがいったこと。混迷する世界をどうするかと問われたこと。
自分を含めた人間という存在が解りあえるようにそして変わっていけるように、もう争わない世界をどうやって作ればいいのか。
はっきり言って途方もないことだ。
勿論彼の言ったとおりまた人は苦しかったことを忘れ戦いを始めるかもしれない、そんな世界にしないと誰が言えるかと吐き捨てられたようにキラにもラクスにも確約は出来ないのだ。だが少しずつでも近づけていく努力をすべきだ。
そんな明日を望んだ戦いだったのだから。
キラはラクスと目線を合わせた。
お互いの中にある決意。
これからの居場所、どこで何をすればいいかということ。
彼女は今後、プラントに帰るつもりなのではないかと思う、そしてキラも故郷のオーヴで今度こそカガリと一緒に世界に関っていくことを決めている、まだ誰にも話してはいないけれど、どうするかを訊いてもいないけれどそんな覚悟のほどをお互いに解りあえていると感じていた。
「・・・諦めませんわ、私も」
その言葉はその場にいた皆の心を代弁したかのようだった。

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「明日へ続く光」11~運命最終話自己補完小説

アカツキを着艦させたあと即座に収容したザフトの負傷者を医務室に運ばせるように指示をすると、ムウはマードックに迎えられた。
「その様子じゃ、すっかり少佐に戻ったって感じですかね?」
機体チェックのためにコックピットを覗いてくる。ムウは人好きする笑顔で
「ああ、思い出したよ。AAをあの時と同じようにして守った時に」
その返事を聞き終えることなくムウは飛び出すと、まずは会いたいと思うその人のところへと飛び出した。マードックはその背中に
「遅すぎますよ!」
とぶつけ彼流の皮肉で見送った。ムウもそれには苦笑して「そうだな、まったく」と自嘲気味だ。

あの時と同じように間一髪の状況にアカツキでAAを護りに入ったときに思い出したそれは自分が誰であったかと言うことと、自分の中で一番大切な人の笑顔だった。
そして。
この2年、自分がしてきた地球連合軍軍人として行ってきた、さまざまなこと。
(…けじめはつけないとな)

どちらも自分の人生なのだ、ムウ・ラ・フラガとして生きた28年、ネオ・ロアノークとして生きた2年。自分から逃げることは出来ない。
が、まず一番に自分が無事だったことを伝えたい人がいた。
約束を、守ったのだと抱きしめたい人がいた。

「ムウ!」
パイロットスーツのままで急ぎブリッジに向っていたのだが、会いたい人とはその途中ブリッジへ上がるエレベータに乗り込もうと扉が開いた瞬間出会ってしまった。
思わずその人を抱きしめた。
ああ、彼女も一刻も早く会いたいと願ってくれたからこうして飛んできてくれたのだろうかと、嬉しい気持ちが心に満ちてきた。
「・・・マリュー。だたいま」
その言葉しか、今は告げられなかった。本当なら格好つけて「俺は約束を守っただろ?」などというつもりだった。だが、あのマードックが言ったように自分は「遅すぎた」、「待たせすぎたのだ」。彼女の2年は長く辛かっただろう、思い起こすにまだ記憶の戻らない自分を見た時の衝撃とあの狼狽振りは、一度諦め絶望しそれを乗り越えて割り切りまた歩き始めていた彼女を再び苦しめた。苦しんだその2年と幸せだった時のマリューの記憶さえ穢したようなそんな一瞬だったからだ。
同じ形のものなのに、その中身はまったく彼女の望むものではなくまたどれだけ彼女を苦悩させたのか。思い出せなかったとはいえ、すべて自分のせいで彼女を泣かせてしまったのだ。
自分のいなかった2年、自分ではなかった2年。
それを認めて尚、彼女に言える言葉は、今これしか思いつかなかった。そしてマリューもその胸で
「お帰りなさい」と、言ってくれた。

見詰め合う、そしてその無事を本当に確認するために自然と二人の口唇は重なる。
帰るべき場所、そこに戻ったのだとムウは心から安堵した。


そうして暫く体温を分けあったあと。
まだ安定していない現実にまず戻ったのはマリューだった。
「まだプラントの出方はわからないのだけれど、ここでまた戦線が開かれる、という動きはないわ」
オーヴの艦隊もほぼダイダロスに終結し終えた、AAはまだ基地には入らず戦域から各軍が撤退していくそれを見守っていると言う状況だ。ザフトは月面に落ちたメサイアなどから兵士の救出、戦闘終了後の後始末を行っている、その指揮はイザーク・ジュールが執っていると聞く。
が、前線はイザークが取り仕切り既に戦闘行為を行わないと徹底されているがプラントは今連合をせっかく弱小化させ人心を掴んでいるこの時を戦機と考えている可能性はある。この戦いに割いた戦力以外に本国にまだ温存する部隊もあるはずだ。この愚かしい戦いをこのまま議長の言う世界でプラントが地球を、いやナチュラルを支配したいと思えばまた立て直してくるだろう。
「予断を許さない、というわけだな。これで終わりにしたいが」
「今後はカガリさんたちの出番よ。私たちはこのまま守りに就く」
交渉のステージは今オーヴ本国が議長の思想を受け入れなかった国々と連絡を取り合い意見をまとめプラントとの話し合うために早急に整えている最中だ。自分たちは今この宇宙で出来ることをする、この戦いの後始末や今後のための準備を怠らないこと、それを確認しあった。
二人は肩を並べてエレベーターに入った。上昇の後着いたところでムウはブリッジに向おうとする彼女に付き添わずこう言い出した。

「医務室にいく、助けた坊主に殴られてこなくちゃならなくてね」
ムウが助けた二人は、そのうちの一人の女性パイロットが「ミネルバ所属のパイロット、シン・アスカとルナマリア・ホークだ」と名乗った。一人は低体温で急ぎ処置が必要だったため彼女が答えたのだ。二人のスーツは残留酸素もなんとか足りていて低酸素症もなく外傷も認められないということだったが現在検査中だとの報告が入った。
彼らを詳しく語ればシン、という少年はレクイエムの攻防戦でジャスティスが撃墜したデスティニーのパイロットだ。そしてルナマリアと名乗った少女はエターナルに移ったメイリンの姉だった。
現在メイリンにはこの報告をしてこちらに来るかを打診するよう指示を出した、彼女は一も二もなく飛んでくるだろう。
もう一人のパイロットであるシン、彼とAAとは少し因縁がある。かといって恨んでいるわけではない、かの極寒の地で、ミネルバに追い詰められた時キラはフリーダムを失った、そのときのインパルスというMSのパイロットが彼であったがそれもこの戦争の中、仕方ないことであっただろう。
この目の前にいるムウ自身もあの時、腹いせにキラに「ざまあみろ」などいい「勝気でどんどん腕を上げている」とも賞賛していたザフトのパイロットでもありこの戦いの中心的な兵士であるといえる。
そういえば、そのシンとムウは「一度会った」と言っていた。ザフトの兵士と連合の将校とがあったというその目的は何だったのだろう。そういえば訊きそびれていた、が今はそれを聞いている時間もないのだが。
ムウが「殴られてくる」と言った表情があまりにも真摯でその原因はわからないが罵倒されても仕方ない出来事が彼との間にあったに違いないと推察できた。
だから、殴られなくてはならないのだろう。

国と国との決着、個人の感情のけじめ、そしてこれから進むべき道。
それを模索せねばならない。迷わず禍根を残さず前を向くには、些細な気がかりでさえも今は納得のいくように自分の心に偽らずに行動すべきなのかもしれない。
「大丈夫、生きていれば分かり合える日が来るのよ。だから頑張ったのでしょ?」
守りたい、と人は武器を取っただがそれは憎しみを生みまた争いを作る。そんな世界をなくしたいとマリューはここまで来た。
失ってしまったと嘆いた日々、でも彼が愛した世界だからこそまた自分も愛していこうとここまで来たのだ。人は争うばかりでなく分かり合えるのだと信じて。
その一言と、マリューの柔らかな瞳に勇気付けられた。
過去を振り返る時、戦争しか知らなかった子らを護れなかったというその不甲斐なさに苛まれる。戦争さえなければそういう風にはならなかったかもしれない彼ら。
戦うことを取り上げれば価値は見出せず結局死に至るだろう彼らには戦わせることが唯一の救いなのだとも思い込んでいた。
温かい世界、そうだな見せてやりたかったな。
ムウは瞑目した。

「私も後から彼らのところにいくわね」
言ってムウをそっと抱きしめた、短い抱擁。
大丈夫、護りたいものも、守っていきたいものも自分の中には変わらずある。

二人は別の方向に踵を返した。

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genre : アニメ・コミック

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